1984。この数字に思い入れがある。僕のこの偏った趣味の世界で、ちょくちょく顔を出す。
普通の人はオーウェルの同名の小説を思い出すだろうが僕にとっては今まで生きていた中でもっとも影響を受け、そして今でも大好きなバンドである”CRASS”を主体とした重要なキーワードの一つだ。”CRASS"とは、1970年代後半のPUNKムーブメントの流れの中で生まれたバンドであるが、すでに過渡期にあったムーヴメントは現状も破壊することなく当時の”冷戦”がもたらした社会的不安の中退廃的思想へと流れようとしていた
そんな時代の中”CARSS"は、当時のPANKS達へのアンチテーゼを唄い、現状に流されることへの世界的な危機を訴え、現実の未来予測としてジョージ・オーウェルの”1984”の世界を示し、混沌とした社会情勢の中、現状を維持しつづけようとする人類に対し警鐘を鳴らすべく活動を開始した。
彼らは主にバンド形体で活動していたが音楽産業に属するものではなく、多面的メディア戦略を主体とした集合体で、目的の達成こそが活動の真意であり、目標である。そして、その答えを確実にするために彼らは自らの活動にタイムリミットをつけた。それがジョージ・オーウェルが予測した未来の権力者による電脳化された人類の奴隷的管理社会が始まる年、”1984年”なのだ。